楽譜とギター

続かない自分を責めない。「曜日テーマ制」で飽きを防ぐコツ

忙しい社会人がギターを楽しみ続けるための様々な戦略をお話ししてきました。しかし、どんなに良い機材を揃え、効率的な練習法を知っていても、最後に立ちはだかる最強の敵がいます。それは「飽き」と「サボり心」です。

「今日は疲れたから明日でいいか」が3日続き、1週間になり、気づけば1ヶ月ケースを開けていない。そんな経験、僕にも山ほどあります。そのたびに「自分は意志が弱いダメなやつだ」と責めてしまいがちですが、それは違います。あなたが続かないのは、意志が弱いからではなく、「毎回何をやるか考えるのが面倒くさい」からです。

意志力に頼らず、自動的にギターを手に取ってしまう仕組み作りについてお話しします。献立を考えるのが面倒なら、給食のように決めてしまえばいいのです。

今日の課題:「何をしようかな?」と考えるエネルギーを節約する

人間が行動を起こす時、最もエネルギーを使うのは「決断」の瞬間です。仕事から帰ってきて、疲れた脳で「さて、今日はクロマチックをやろうか、曲のコピーを進めようか…」と考えること自体が、実は大きな負担になっています。

この決断コストをゼロにしましょう。今日の目標は、あなたの練習ライフに「時間割」を導入することです。小学校の頃、月曜日の1時間目は国語、と決まっていたように、曜日ごとにやることを固定してしまいます。

「今日は火曜日だからカッティングの日」と決まっていれば、脳を使わずに身体が動きます。この「自動化」こそが、細く長く続けるための秘訣です。

やり方:バランスよく栄養を摂る「曜日テーマ制」

毎日同じ練習(例えばクロマチックだけ)を続けると、飽きる上に上達が偏ります。そこで、1週間単位でギタリストとしての総合力を高めるメニューを組みます。僕のおすすめはこのローテーションです。

月曜:指のフィットネス(運指)

週の初めはリハビリ。クロマチックやスケール練習など、機械的な指の運動で感覚を取り戻します。

火曜:左手の日(コードチェンジ)

F→Gや、苦手なコード進行の切り替えだけをひたすら反復します。

水曜:右手の日(リズム・カッティング)

左手はミュートして、右手首の振りだけを鍛えます。メトロノームと友達になる日です。

木曜:頭脳の日(理論・指板把握)

ギターを持たず、ドレミの位置を覚えたり、好きな曲のコード進行を分析したりします。

金曜:総復習(自由)

平日頑張ったご褒美に、好きな曲を流して適当に合わせたり、一週間の成果を確認します。

土日:曲作り・録音・資金計画

まとまった時間で「弾いてみた」を撮ったり、不用品を査定に出して機材資金を計算したりします。

これなら「今日は何をやろう」と悩む必要がありません。カレンダーを見るだけでメニューが決まります。

NG例:1日サボった自分を責めて、全てを投げ出す

完璧主義な人ほど、1日でも練習できない日があると「ああ、もうダメだ」と挫折してしまいます。これを「どうにでもなれ効果」と言います。ダイエット中にケーキを一口食べたら、もう一箱全部食べてしまう心理と同じです。

練習は、歯磨きと同じです。昨日の夜に歯を磨き忘れたからといって、「もう二度と歯磨きなんてしない!」とはなりませんよね。「気持ち悪いから今朝は念入りに磨こう」と思うはずです。

ギターも同じです。飲み会で帰りが遅くなった日は、寝る前に1回だけ「Eコード」をジャラーンと弾いて終わりでいい。あるいは、完全にサボってもいい。「昨日はサボったから、今日は5分だけやろう」と切り替えられる人が、最終的に一番上手くなります。

録音して確認→次回:ギターは逃げない。いつでも待っている

1日15分の練習、スマホでの録音、不要品の売却による資金作り、そしてSNSでの記録。これらは全て、あなたが「ギタリスト」であり続けるための生存戦略です。

上手くなることだけが目的ではありません。日々の生活の中に「音楽を奏でる時間」があること。その豊かさこそが、私たちがギターを弾く本当の理由ではないでしょうか。

時には仕事が忙しくて、数ヶ月ギターに触れない時期が来るかもしれません。でも、大丈夫。あなたが売ってしまわない限り、ギターは文句も言わずに部屋の隅で待っていてくれます。そして久しぶりに弾いた時、「やっぱり楽しいな」と思えたら、そこからまた始めればいいのです。

焦らず、比べず、自分のペースで。このブログが、あなたの「ゆるく長いギターライフ」の助けになれば幸いです。それでは、またどこかのライブハウスか、SNSのタイムラインでお会いしましょう。

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