中古のギター

中古ギターの歩き方。安さの理由と「ハズレ」を引かない基準

憧れのギタリストが持っているあのモデル。新品で買おうと値札を見て、そっとブラウザを閉じた経験はありませんか。今のギターの価格高騰は凄まじく、新品にはなかなか手が出ません。そこで選択肢に入ってくるのが「中古ギター」です。

中古楽器店は、さながら宝探しができる大人の遊園地。定価の半額以下で名器が手に入ることも珍しくありません。しかし、そこは一歩間違えれば「安物買いの銭失い」になる魔境でもあります。初心者がカモにされず、長く付き合える相棒を見つけるにはどうすればいいか。今回は、中古市場を安全に歩くための「目利き」のポイントをお伝えします。

今日の課題:値札の安さに目が眩んでも「状態」を冷静に見る

中古品が安い理由。それは「誰かが使ったから」だけではありません。明確な理由があって価格が下がっています。大きく分けて、許容していいマイナスポイントと、手を出してはいけない致命的な欠陥の2種類があります。

許容していいのは「見た目のキズ」です。塗装の剥がれや打痕は、むしろ歴戦の勲章として愛せます。しかし、演奏に関わる部分の消耗は別問題です。
今日の目標は、デザインやブランド名だけでなく、楽器としての「健康状態」をチェックできるようになること。医者が聴診器を当てるように、ギターの急所を確認しましょう。

やり方:店員さんに聞くべき「3つの質問」

楽器店に行ったら、遠慮せずに試奏させてもらいましょう。そして、恥ずかしがらずに店員さんに以下の3点を確認してください。これが聞ければ、ハズレを引く確率は格段に下がります。

①「フレットの残りは何割くらいですか?」

フレット(指板に打ってある金属の棒)は、タイヤと同じ消耗品です。弾けば弾くほど削れて低くなり、最終的には音がビビって出なくなります。

目安:残り7〜8割あれば十分。5割以下だと、買ってすぐに「打ち直し(数万円の修理)」が必要になるかもしれません。山が平らになっていないか、凹んでいないかを目で見て確認しましょう。

②「トラスロッドに余裕はありますか?」

ギターのネックは木でできているため、湿度や温度で反ってしまいます。それを直すための調整棒がトラスロッドです。

「ロッドは締め切りです(もう回せません)」と言われたら、そのギターは寿命が近い可能性があります。今後の調整ができないため、初心者にはおすすめできません。「左右どちらにも回ります」という個体が安心です。

③「保証期間はどれくらいつきますか?」

これが最も重要です。島村楽器やイシバシ楽器などの大手専門店では、中古品でも3ヶ月〜6ヶ月の保証をつけてくれる場合が多いです。

保証がつくということは、お店側が「ちゃんと調整してあるから、すぐには壊れませんよ」と太鼓判を押している証拠です。逆に「現状渡し(保証なし)」の品は、自分で修理できる玄人向けと割り切りましょう。

NG例:フリマアプリの「NCNR」に飛びつく

最近はメルカリやヤフオクでも楽器が活発に取引されていますが、初心者がいきなりここから手を出すのは非常に危険です。特に「NCNR(ノークレーム・ノーリターン)」と書かれた商品は、地雷原だと思ってください。

写真ではピカピカに見えても、届いてみたら「ネックがねじれていて弾けたものじゃない」「アンプに繋いだら音が出ない」といったトラブルが後を絶ちません。個人の出品者はプロのリペアマンではないため、状態の説明が曖昧だったり、悪気なく不具合を見落としていたりします。

最初の1本や、メイン機を探しているなら、多少高くても実店舗で「触って」買うことを強くおすすめします。送料や調整費を考えれば、結果的に店舗の方が安くつくことも多いのです。

録音して確認→次回:欲しい相棒が見つかったら、次は「資金」だ

試奏室で「これだ!」というギターに出会い、その鳴りの良さをスマホで録音して持ち帰ったとしましょう。家に帰ってその音を聞き返すと、もう今のギターでは満足できなくなっている自分がいるはずです。

しかし、現実は非情です。銀行口座の残高と相談しなければなりません。「欲しいけどお金がない」。そんな時、ふと部屋を見渡してみてください。もう何年も弾いていない古い機材、本棚の肥やしになっている専門書、そしてアパートの駐輪場で埃を被っているバイク…。

それら全てが、新しいギターに変わる「埋蔵金」だとしたら? 次回からは、いよいよ具体的な「資金づくり」のフェーズに入ります。部屋を片付けてスペースを空け、その売却益で憧れの機材を迎える。そんな錬金術を始めましょう。

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